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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻12号

1994年11月発行

文献概要

今月の症例

多形滲出性紅斑様皮疹を呈した成人T細胞白血病の1例

著者: 藤田弘1 黒川滋子1 今泉俊資1 奥知三2

所属機関: 1静岡県立総合病院皮膚科 2奥皮フ科医院

ページ範囲:P.1069 - P.1071

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 55歳,女性.ペルー生まれ日系2世.3年前に日本に移住し,約2年前より四肢・体幹に軽度瘙痒を有する虹彩状を呈する紅斑が出没していた.組織像では基底層の液状変性と真皮の著明な浮腫が認められ,異型リンパ球が表皮・真皮に多数浸潤していた.浸潤リンパ球の表面形質はCD4,CD25陽性細胞が大部分を占め,皮膚組織にてHTLV-l proviral DNAのモノクローナルな組み込みが証明され,成人T細胞白血病の特異疹と診断した.特異疹として多形滲出性紅斑の像を呈した成人T細胞白血病は極めて稀と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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