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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻12号

1994年11月発行

文献概要

症例報告

多彩な病理組織像を呈した熱傷瘢痕癌の1例

著者: 畑康樹1 秋山真志1 山田晴義1 仲弥1 原田敬之2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 2東京女子医科大学附属第二病院皮膚科

ページ範囲:P.1127 - P.1131

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 熱傷受傷後37年を経て熱傷瘢痕癌が生じた46歳の女性例を報告した.病理組織学的に比較的高分化な有棘細胞癌の像を呈する部分,著明な血管増生を呈する部分,未分化な紡錘型の腫瘍細胞が膠原線維間に増殖し,紡錘状有棘細胞癌を思わせるところ,さらに細胞間結合が粗になり,あたかも肉腫様の組織像を呈するところなど,様々な像が認められた.腫瘍と表皮との間に連続性が見られたこと,未分化な部分でも一部の腫瘍細胞がケラチン陽性であること,電顕にて未分化な腫瘍細胞にも少量ながらトノフィラメント,デスモゾーム等の形成を認めたことより扁平上皮癌と診断した.また本腫瘍細胞は免疫組織学的に,ケラチンとともにビメンチン陽性を示した.ケラチンとビメンチンの共存については皮膚由来の扁平上皮癌での報告はまだ少ないが,未分化で,3次元的組織構築の失われた癌に多い傾向が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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