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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻13号

1994年12月発行

文献概要

症例報告

皮膚病変を伴った進行性鼻壊疽の1例

著者: 傳寳憲一1 長谷哲男1 中嶋弘1 宮田佳代子2

所属機関: 1横浜市立大学医学部皮膚科学教室 2横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.1169 - P.1171

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 58歳,女性.昭和62年6月頃より右鼻閉感出現し,昭和63年2月当院耳鼻咽喉科を受診した.生検により進行性鼻壊疽と診断され,同3月入院し,放射線・化学療法により病変は縮小するも,同4月より全身に紅色丘疹が出現し当科を受診した.鼻壊疽の治療に伴い皮疹は軽快したが,同6月下旬より咽頭後壁に腫瘤が出現し,生検により鼻壊疽の再発と診断された.病変は放射線治療により縮小したが,同8月下旬より皮疹は再燃し,以後全身に拡がった.皮疹は径5mmから20mmまでの中心壊死傾向を伴う浸潤性紅斑であった.他臓器への浸潤は認められず,同11月敗血症によるDICを併発し死亡した.鼻粘膜腫瘤,皮膚病変生検組織の病理組織学的および免疫組織化学的検索では,鼻病変は悪性リンパ腫が疑われ,皮膚病変はpolymorphic cellu—lar infiltrationの像を呈していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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