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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻13号

1994年12月発行

症例報告

前腕に生じた皮膚潰瘍—組織学的に巨細胞性動脈炎を認めた1例

著者: 中山文明16 田川一夫1 神戸敏行2 吉田象二2 鈴木良夫3 秋草文四郎4 田辺恵美子5

所属機関: 1旭中央病院皮膚科 2旭中央病院内科 3旭中央病院臨床病理科 4千葉大学医学部第2病理学教室 5東邦大学医学部附属佐倉病院皮膚科 6千葉大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1181 - P.1184

文献概要

 69歳,女.1992年8月上旬より意識障害,熱発,血圧低下,出血傾向,全身浮腫,呼吸困難を起こし対症的に治療を受けていた.同年10月下旬頃より,左肘窩,左手関節背面の点滴刺入部に浸潤を触れる紅斑が出現し,急速に潰瘍化し,組織学的に巨細胞性動脈炎を認めた.ステロイドパルス療法とプレドニゾロン(PSL)40mg/日内服に反応し,全身状態の著明な改善と意識の完全回復を認め,潰瘍も上皮化した.巨細胞性動脈炎は側頭動脈炎に多く認められる.本例では明らかな側頭動脈の結節を認めなかったが,右肺梗塞と両側頭動脈狭小化の所児と全身症状により,局所的な動脈炎だけでなく全身性の動脈炎が存在したと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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