icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻13号

1994年12月発行

症例報告

サイトメガロウイルス単核症の1例

著者: 鶴田大輔1 持田和伸1 福田道夫1 小林裕美1 中川浩一1 濱田稔夫1

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1189 - P.1192

文献概要

 60歳,女性の全身に皮疹を生じたサイトメガロウイルス単核症(以下CMV単核症)の1例を報告した.皮疹は肉眼的には多形紅斑様であり,病理組織学的には真皮血管周囲の細胞浸潤像を示した.入院時および入院後第14病日にサイトメガロウイルス(以下CMV)の抗体価を測定し,4倍以上の上昇を認め,CMV単核症と診断した.本邦人の大半においてはCMV感染は思春期までに生じるため,自験例のような高齢者に生じる頻度は非常にまれであると考えられた.自験例では一部,バルプロ酸ナトリウム(商品名:デパケン®)による薬疹の合併を示唆する所見を呈したが,確定診断することはできなかった.多形紅斑を呈する症例ではCMV単核症の可能性も考え,必要に応じてCMV抗体価の測定とPCR法による尿・血清のウイルス検査を行うことが望ましいと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら