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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻13号

1994年12月発行

症例報告

Merkel cell carcinomaにsenile keratosisが併存した1例

著者: 名嘉眞武国1 西岡昭二1 辛島正志1 津田眞五1 笹井陽一郎1 安藤謙二2 緒方盛道3

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科学教室 2安藤皮膚科 3大牟田共立病院

ページ範囲:P.1219 - P.1222

文献概要

 Merkel cell carcinoma(MCC)とsenile keratosis(SK)が同一部位に並存した症例を報告した.症例は96歳,女性.約2年前より右前額部に自覚症のない紅斑が存在し,3カ月前より同部位に径6mmの類円形腫瘤が出現した.初診時には径10mmの腫瘤と,その外下方にびらん・紅斑を認めた.摘出標本の組織像は,びらん・紅斑部はSKであった.腫瘤部では,真皮上層から深層にかけて,類円形で細胞質に乏しい異型性の強い細胞が巣状あるいは索状に存在し,電顕的に有芯顆粒,中間型フィラメント,デスモゾーム様構造を認めた.MCCとSKとの間には組織学的連続性はなかった.腫瘍構成細胞について種々の免疫組織化学的検索を行ったところ,neuron specificenolaseにのみ陽性であった.また血中ドーミパン値が上昇していた.高齢のため摘出以外の治療は行わなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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