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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻13号

1994年12月発行

症例報告

Trichilemmomaとtrichilemmal carcinomaの各2例

著者: 加藤直子1 上野洋男2

所属機関: 1国立札幌病院皮膚科 2市立小樽病院

ページ範囲:P.1223 - P.1226

文献概要

 2例のtrichilemmomaと2例のtrichilemmal carcinomaを報告した.受診時の年齢は68〜86歳と高齢で,腫瘍の長径は3例で約10mm,1例で25mmであった.Trichilemmomaは組織学的に周辺の表皮から連続性に増殖する,複数の小葉状で充実性の構築を有し,小葉の辺縁部には基底細胞様細胞,中央部には胞体の明澄な細胞を有していた.明澄な細胞は胞体がエオジンにほとんど染色されないclear cellと弱く染色されるintermediate cellの2種類に分類された.2種類とも胞体内にPAS染色に陽性のグリコゲンを有していた.またそれらの腫瘍細胞に配列の乱れ,多核像,核分裂像,大小不同などの強い異型性を示した2例をtrichilemmal carcinomaと診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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