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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻13号

1994年12月発行

文献概要

症例報告

全身転移をきたした肛囲Paget病の1例

著者: 山田啓子1 松木正人1 上田英一郎1 永田誠1 手越香里1 岸本三郎1 安野洋一1

所属機関: 1京都府立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1227 - P.1230

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 67歳,男性に発症した肛囲Paget病の1例を報告した.肛囲にびらんを伴う紅斑局面,会陰,陰嚢,陰茎,下腹部に浸潤性紅斑局面を認めた.治療前は血清CEAは157ng/mlと高値を示し,全身検索にてリンパ節,皮膚,肺および,骨転移を認めた.死亡までの4カ月間に5FU+MMC,CDBCA+ADM+VDSを各2クールを行い,5FU+MMC+VCR,CDBCA+BLMを1クール行った.肛囲のびらんは縮小し,血清CEAは24.8ng/mlと低下した.肺転移による呼吸困難は一時的ではあるが完全に消失した.かなり進行した症例でも化学療法は行う価値があると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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