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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻13号

1994年12月発行

治療

ステロイド剤を外用しない顔面のアトピー性皮膚炎の治療

著者: 丸口幸也1 三輔充1 大郷典子1 土井顕

所属機関: 1神戸市立中央市民病院皮膚科

ページ範囲:P.1231 - P.1235

文献概要

 顔面にステロイドを外用せずに,なおかつ保険診療の許す範囲内の通常の治療でどの程度顔面のアトピー性皮膚炎が治るかを225例について検討してみた.原則として抗アレルギー剤の連続服用を指示し,必要に応じて抗ヒスタミン剤,漢方薬の併用を行った.顔面の皮疹は治療を開始した患者の18%で消失したが,これらの治癒状態となった患者はすべて抗アレルギー剤を指示通り継続服用していた.テルフェナジン,アゼラスチン,オキサトミド,ケトチフェンのいずれでも有効例があり,これらの薬剤の効果に大きな差はないものと考えられた.なお治癒状態となった患者の85%は6カ月未満で皮疹が消失しており,また成人と小児の治癒率に差はほとんどなかった.したがって成人の顔面のアトピー性皮膚炎のすべてが必ずしも難治性ではなく,少なくとも6カ月間は顔面にステロイド剤を外用しないで加療してみるのも良い方法であると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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