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症例報告
抗SS-B再発性紅斑の1例
著者: 川上民裕1 斉藤隆三1
所属機関: 1東邦大学医学部第二皮膚科学教室
ページ範囲:P.159 - P.162
文献購入ページに移動 24歳,女性.初診の約2カ月前,頬部,背部に自覚症状のない皮疹が出現.個疹は示指頭大の浸潤を伴う浮腫性紅斑で始まり,次第に遠心性に拡大し,環状ないし馬蹄形となり,全経過約4カ月で色素沈着を残し消退した.また初診後にも同様の皮疹が出現したが,ステロイド外用にて半月後には消退した.組織学的には真皮全層の血管および毛嚢・汗腺周囲のリンパ球浸潤がみられる.眼・口腔の乾燥症状はない.抗核抗体1280倍,抗SS-A抗体16倍,抗SS-B抗体32倍.シルマー試験,耳下腺造影,口唇生検で異常はない.以上の所見より抗SS-B再発性紅斑と診断した.自験例を含む本邦報告13例を集計し,統計的考察を加えるとともに本症の概念,鑑別診断についても言及した.
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