臨床皮膚科48巻2号

1994年02月発行

症例報告

棘融解を示したclear cell hidradenoma

著者： 森田昌士¹ 徳橋至¹ 上野和子¹ 鰺坂義之¹ 千葉紀子¹ 品川俊人²

所属機関： ¹聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院皮膚科 ²聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院

ページ範囲：P.191 - P.193

文献概要

　29歳，女性の右側腹部に直径15mm大の暗赤色調の腫瘤を認めた．この腫瘤は大小の嚢腫構造を示す皮下腫瘍でclear cellとepidermoid cellの2種類の細胞からなり，病理組織学的にclear cell hidradenomaと診断した．自験例では腫瘍充実性胞巣内の数カ所にわたり棘融解の部分が存在し，大きな嚢腫形成の機序を考える上で興味ある所見と思われた．