文献詳細
症例報告
文献概要
50歳,女性に生じたCa拮抗剤による歯肉増殖症を報告した.5年前より高血圧を指摘されていたが放置.1991年5月,脳出血で入院し,高血圧に対してCa拮抗剤の一つである持続性降圧剤塩酸マニジピン製剤(カルスロットR)の内服が開始された.1カ月後より歯肉の出血および腫脹が出現した.当科初診時,臨床像より単球性白血病も疑われたが,同部位の病理組織学的所見では,膠原線維の増生と著明な形質細胞の浸潤が主体であった.カルスロットR)による歯肉増殖症を考え,内服を中止したところ,歯肉の腫脹は徐々に改善し,同剤による歯肉増殖症と診断した.
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