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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻3号

1994年03月発行

症例報告

造影剤の皮内テストにより発症した薬疹

著者: 玉置昭治1 石田としこ1 中村麻紀1

所属機関: 1淀川キリスト教病院皮膚科

ページ範囲:P.273 - P.275

文献概要

 不用意なヨード造影剤の皮内テストにより発症した多形滲出性紅斑型薬疹の1例を報告した.患者は30歳の女性.不妊のためヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルの皮内テストによる予備テストを受け,当日子宮卵管造影を施行された.9日目に皮内テスト部に発赤,腫脹,小水疱,水疱形成をみた.さらに6日後には体幹,反対側上肢にも紅斑性丘疹の新生をみ,多形滲出性紅斑様に拡大した.ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルの皮疹部でのパッチテストは陽性生を示したため本剤による多形滲出性紅斑型薬疹と診断した.ヨード造影剤の不用意な予備テストの問題点にふれ,予備テストを行う場合は本試験の直前24時間以内の静注法で行い,予備テストとしての皮内テストは行うべきでないと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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