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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻3号

1994年03月発行

症例報告

男性乳癌の1例

著者: 林伸和1 小宮根真弓1 中川秀己1 石橋康正1 黒木尚2 清水利夫2 小堀鴎一郎2 古江増隆3 安西喬4

所属機関: 1東京大学医学部皮膚科学教室 2東京大学医学部第一外科学教室 3山梨医科大学皮膚科学教室 4日本赤十字社医療センター皮膚科

ページ範囲:P.321 - P.324

文献概要

 71歳,男性.右乳頭部腫瘤を主訴に来院.エコーにて腫瘤内部の不均一性を認めた.病理組織像は充実腺管型の乳癌.ステージⅡ.組織のエストロゲンレセプター陽性.術後抗エストロゲン剤の内服療法を行った.乳癌の腫瘍マーカーとして用いられている2つのモノクローナル抗体115D8抗体,DF3抗体,および抗CEA抗体を用いて免疫組織染色を行ったところ,115D8抗体では管腔壁により強い陽性像,腫瘍細胞の細胞質にも陽性所見を得た.DF3抗体および抗CEA抗体では,一部の管腔壁および一部の腫瘍細胞に陽性所見を認めた.これらを用いてPaget病の病理組織を免疫染色したところ,それぞれの抗体でPaget細胞にも陽性所見が得られた.10年間に日赤医療センター外科を受診した乳癌患者654人について調べたところ2人の男性患者があり,そのうち皮下腫瘤を主訴とする1人は皮膚科を初診していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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