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雑誌目次

雑誌文献

臨床皮膚科48巻4号

1994年04月発行

雑誌目次

カラーアトラス

有棘顎口虫によるcreeping disease

著者: 山崎雄一郎 ,   小林孝志 ,   小野田登 ,   渡辺知雄

ページ範囲:P.342 - P.343

症例 48歳,女
 初診 平成4年1月14日
 主訴 腹部の皮疹
 既往歴・家族歴 特記すべきことなし.
 現病歴 平成3年ll月中旬,調理してあるアユをはらわたまで含めて食べたことがあった.平成4年1月6日ころから腹部に皮膚硬結と移動性蛇行状の紅色の線状皮疹とが存在していることに気づき,14日当科を受診した.
 現症 腹部にウズラ卵大で,軽度の発赤と痛みを伴う硬結(図1*印)を認め,両側側腹部には暗赤色蛇行状線状皮疹(図1・図2矢印)を認めた.この皮疹は軽度隆起性で,左側のものは腹部正中部にまで及んでいた.

原著

マダニ刺症—自験3例の報告と文献的考察

著者: 武村俊之 ,   川名万季 ,   木下正子 ,   山口昇 ,   続木千春

ページ範囲:P.345 - P.351

 1992年6月から8月にかけて当科で経験したマダニ刺症の3例を報告する.症例1:57歳女性,東京都杉並区在住.6月,奥秩父に1泊し,帰宅の翌日,右側胸部の虫体に気づく.シュルツェマダニ.症例2:2歳男性.杉並区在住.8月,蓼科高原に3泊し,その帰路,後頭部の虫体に気づく.ヤマトマダニ.症例3:56歳女性.大田区在住.8月,北アルプスに3泊.帰宅の2日後,人間ドックでの診察時に右上背部の虫体を指摘される.ヤマトマダニ.3例いずれも自覚症状なく,刺咬部位の切除とミノサイクリンの内服で治療.約4週間の観察でライム病や日本紅斑熱などの発症なく,抗Borrelia burgdorferi抗体およびWeil-Felix反応も陰性.本邦におけるマダニ刺症の現況やマダニ媒介性感染症について文献的に考察した.

15歳以上の麻疹入院19例

著者: 角田孝彦 ,   菊地克子 ,   堀内令久 ,   佐藤真樹

ページ範囲:P.353 - P.358

 1988年から1992年までの5年間に当科に入院した15歳以上の麻疹患者は19例であった.年齢は15〜33歳(平均21.6歳),女11例,男8例であった.Koplik斑は全例にみられ,頬粘膜全体に散在するものが多く,口蓋に及んだ例もあった.発疹出現数日後までKoplik斑が観察され,発疹出現後Koplik斑が出はじめた症例もあった.麻疹HI抗体価だけでなく風疹HI抗体価も上昇した例が3例あり抗原性交叉と考えられた.経過中,白血球減少,異型リンパ球出現,血小板減少,肝機能障害は多くの例でみられた.妊娠早期例を2例経験した.

今月の症例

頭部に生じたPaget病の1例

著者: 佐井嘉之 ,   鈴木民夫 ,   横山嘉洋 ,   荻山幸子

ページ範囲:P.359 - P.361

 頭皮に生じた乳房外Paget病を報告した.臨床的には,7×10cmのびらんを伴う紅斑であり,病理組織学的所見および免疫組織化学的所見より乳房外Paget病と診断した.過去に頭皮に発生した本症の報告例はない.

症例報告

ライム病を疑わせたシュルツェマダニ刺咬症の1例

著者: 清水聡子 ,   田中勝 ,   宮川俊一 ,   山口昇

ページ範囲:P.363 - P.365

 36歳,男性.シュルツェマダニ(lxodes Persulcatus)刺咬症.刺咬後3日目に刺咬部周囲に径2cmの環状紅斑出現.虫体を含めて紅斑を全摘.刺咬後3日目の血清Borrelia burgdorferi抗体価は間接蛍光抗体法にてIgM 40倍,IgG 160倍陽性を呈したが,その後低下した.ライム病の診断に際しては同抗体価の上昇と慢性遊走性紅斑が重要とされるが,自験例では経過観察中同抗体価上昇を認めず,ライム病とは診断し得なかった.同抗体価測定法とマダニ刺咬に伴う初期の紅斑については未解決の点もあり,今後類似症例における詳細な皮膚科学的検討と血清抗体価の経時的測定が必要と思われた.

Episodic angioedema associated with eosinophiliaの2例

著者: 原洋子 ,   井上千津子

ページ範囲:P.367 - P.370

 症例1は29歳女性で,約8kgの体重増加を伴う,四肢の指圧痕を残さない浮腫・多発する関節痛を生じ,白血球が19000/mm3(好酸球31%)と高値を示した.症例2は21歳女性で,約2kgの体重増加を伴う,両下腿の指圧痕を残さない浮腫と膝関節痛を生じ,白血球が12000/mm3(好酸球70%)であった.いずれの症例も心・肺などに異常はなく,全身状態は良好でステロイド剤内服にて軽快した.病理組織学的には症例1では脂肪織内に著明な好酸球の浸潤を伴う肉芽腫が,症例2では真皮の血管周囲には軽〜中程度のリンパ球・好酸球の浸潤が認められた.

好中球性紅斑—前腕に単発した1例の報告

著者: 木村俊次 ,   田村啓彦

ページ範囲:P.371 - P.373

 51歳,女.左前腕伸側に外傷後単発し,ヨードカリ内服が著効した好中球性紅斑の1例を報告した.臨床的には遠心拡大性の浸潤性紅斑で,深在性真菌症も疑診されたが,組織学的に核破壊を伴う好中球浸潤を主体とし,真菌要素は陰性であった.全身症状はなかった.本症はSweet病ないし症候群から皮疹単発のみの例まで幅広いスペクトルを有するが,皮疹の臨床・組織学的所見が共通する.本例はSweet病とは対極に位置する軽症型の1例と考えられた.

結節性多発動脈炎の1例

著者: 金子栄 ,   隅田さちえ ,   片岡和洋 ,   福原敏行 ,   奥本勇二

ページ範囲:P.375 - P.378

 発熱,下痢,関節痛,両下肢の暗紫色調潰瘍および壊死を主訴として来院し,臨床症状および血液造影所見により結節性多発動脈炎と診断した61歳女性例を報告した.右下腿の壊死のため切断術は余儀なくされたが,治療によく反応し,諸検査値の正常化とともに,lupus anticoagulantの陰性化を認めた.本症の病態を考える上でlupus anticoagulantの動きが興味ある所見と思われたので,抗リン脂質抗体症候群との関連を含め,若干の文献的考察を併せて報告する.

リウマチ性多発性筋痛症,側頭動脈炎に合併した蕁麻疹様紅斑の1例

著者: 山本俊幸 ,   大久保坦子

ページ範囲:P.379 - P.381

 56歳,女性.初診の7年前に発熱,筋肉痛が出現し,リウマチ性多発性筋痛症と診断され,さらにその翌年には頭痛,こめかみ部の圧痛が出現し,側頭動脈炎と診断された.prednisolone1日5mg内服にて経過観察中に蕁麻疹様紅斑が出現,漸次増悪し,種々の治療に抵抗する難治性のものとなった.組織学的には,真皮上層の小血管周囲に好中球優位の細胞浸潤を認めた.リウマチ性多発性筋痛症は本邦では報告が少なく,それゆえ随伴する皮膚症状もほとんど記載がみられないため,貴重な症例と考え,若干の文献的考察とともに報告した.

Myelodysplastic syndromeを合併し,手術部に発症した壊疽性膿皮症

著者: 野口博光 ,   高橋洋文 ,   田中源一 ,   近兼健一朗 ,   比留間政太郎 ,   石橋明 ,   岩崎誠 ,   鈴木洋司

ページ範囲:P.383 - P.386

 63歳の男性.有棘細胞癌の疑いで広範囲切除,mesh graftを施行された植皮部と採皮部に壊疽性膿皮症を発症し,貧血の存在からmyelodysplastic syndromeを疑って検索を進めたところ,その合併を確認しえた症例を,文献的考察を加えて報告した.

シアナミドによる苔癬型薬疹の1例

著者: 豊田典明 ,   筒井真人 ,   飯塚一

ページ範囲:P.387 - P.390

 68歳,男.アルコール依存症のためシアナミドの内服治療をしている.内服開始5カ月目から頭部,体幹に脂漏性湿疹様病変が出現し,その後手掌,足底部に落屑性紅斑性局面を生じ,9カ月頃から四肢,頭部に瘙痒を伴う苔癬様皮疹が出現してきた.この時点でシアナミドのパッチテストは陽性であった.内服試験では皮疹部にほぼ一致して紅斑,瘙痒の増強が認められ,病理組織学所見とあわせシアナミドによる苔癬型薬疹と診断した.シアナミドによる苔癬化組織反応の進展と,その臨床型の変化を考える上で興味深い症例かと思われた.

シアナミドによるlichen planopilaris様皮疹の1例

著者: 高橋さなみ ,   池澤善郎 ,   菅千束 ,   高橋泰英 ,   馬場直子 ,   宮本秀明 ,   中嶋弘

ページ範囲:P.391 - P.393

 51歳,男.アルコール性肝障害のためシアナミドを内服し始めてから約2カ月後より全身倦怠感とともに左肩部に紅斑が出現した.次いで皮疹は疼痛,瘙痒感を伴い,多発性に上胸部,上背部に拡大し,小水疱,びらん,痂皮を形成,次第に暗紫紅色調を帯びた色素沈着や角化性の丘疹,辺縁のやや隆起した局面となった.組織学的には表皮基底層の液状変性,真皮上層の帯状の単核細胞浸潤,色素失調などを認め,毛包上皮に対しても色素失調を伴う浸潤細胞のexocytosisと毛包周囲性の結節性単核細胞浸潤を認めた.シアナミドによる貼布試験は陰性であったが,内服試験では淡い紅斑の出現をみた.以上よりシアナミドによるlichen planopilaris様皮疹と診断した.

Donor buffy coat輸注療法施行後に急性GVHDを発症した急性リンパ性白血病

著者: 吉川康之 ,   鈴木正夫 ,   金子史男 ,   菊田敦 ,   鈴木仁

ページ範囲:P.395 - P.398

 骨髄移植後再発に対してdonor buffy coat輸注療法を施行した急性リンパ性白血病(ALL)患者にみられた急性移植片対宿主病(急性GVHD)について報告した.症例は24歳男性.当院小児科にて,HLAの適合した実弟より同種骨髄移植を受けたが再発し,化学療法では寛解導入を得られず,さらに真菌による肺炎とMRSAによる敗血症を合併したため,移植片対白血病効果および造血能の再構築を期待してdonor buffy coat輸注療法を施行された.施行後24日目より39℃の発熱と下痢および全身に瘙痒を伴う一部融合する粟粒大の紅斑がびまん性に出現した.生検組織では表皮内にsatellite cell necrosisおよび免疫組織学的にCD8陽性Tリンパ球の浸潤がみられ,急性GVHD(grade II)と診断した.プレドニゾロンとシクロスポリンにより約1カ月で皮疹は消退し,全身状態も改善してALLも完全寛解を得るに至った.

血管芽細胞腫(中川)—局面状皮疹の多発した1例の報告

著者: 木村俊次

ページ範囲:P.399 - P.402

 15歳男児左前胸から上腕にかけて浸潤性紫紅色局面の形で多発した血管芽細胞腫(中川)の1例を報告した.個疹は紅色丘疹で,これが融合して軽度隆起性の皮疹となり,次第に周囲に拡大するとともに中央部が平坦化して辺縁部が環状に軽度隆起する局面となる経緯が見いだされた.皮疹の数以外の点で自験例は中川の原著例と極めて類似する.本症の臨床形態に注目して報告例を検討したところ,組織所見との対応が窺えた.鑑別診断にも言及した.

雪状炭酸圧抵療法後の太田母斑上に発生した基底細胞上皮腫の1例

著者: 山田朋子 ,   臼井恵太郎 ,   狩野俊幸 ,   出光俊郎 ,   北島康雄 ,   矢尾板英夫 ,   権太浩一

ページ範囲:P.403 - P.406

 雪状炭酸圧抵療法施行25年後に太田母斑上に発生した基底細胞上皮腫の1例を報告した.症例は49歳女性.生下時より右三叉神経第1枝領域に灰青色の色素斑がみられ,20歳から23歳時にかけて某病院で雪状炭酸圧抵療法を受けた.治療による瘢痕形成はなかった.平成3年3月より右側頭部に母指頭大のびらん・潰瘍が出現し,徐々に拡大してきた.生検により基底細胞上皮腫(fibrosing type)と診断し,腫瘍全摘術を施行した.組織所見では表皮と連続性に腫瘍細胞が索状・胞巣状に浅層の筋膜まで浸潤していた.また,一部では角化性小嚢胞を形成しながら腫瘍細胞が増殖し,基底細胞上皮腫のkeratotic typeの所見を呈していた.腫瘍巣の周囲には膠原線維間に細長く突起を伸ばしたメラニンを含有する真皮メラノサイトが多数観察された.雪状炭酸処置後の太田母斑上に基底細胞上皮腫が発生した症例は稀であるため報告し,その発症機序について考察を試みた.

多発性表在性基底細胞上皮腫の1例

著者: 田中信 ,   大草康弘 ,   杉山悦朗

ページ範囲:P.407 - P.409

 82歳.女性の多発性表在性基底細胞上皮腫の1例を報告した.1×1〜15×35mm大,円形〜類円形の褐色の中央〜辺縁に黒色斑を伴った斑状局面が顔面に3個,体幹に6個,大腿に2個みられた.臨床的にはすべて表在性基底細胞上皮腫,病理組織学的には顔面の3個は充実型であったが,他の8個は表在型であったので,多発性表在性基底細胞上皮腫とした.多発性表在性基底細胞上皮腫は極めてまれであるが表在性基底細胞上皮腫の1/3は多発するため,表在性基底細胞上皮腫を経験した時は全身の観察が必要である.

脂漏性角化症から発生した有棘細胞癌

著者: 森誉子 ,   鈴木彰一 ,   山田一美 ,   原一夫

ページ範囲:P.411 - P.413

 73歳,男性.約10年前,左耳介後部に褐色斑が出現,徐々に増大し,盛り上がり,出血・潰瘍がみられるようになった.肉眼的には,中央部が自壊した淡紅色腫瘤とその下部に連続して,境界明瞭な褐色腫瘤が認められた.組織学的に淡紅色腫瘤は有棘細胞癌,褐色腫瘤は脂漏性角化症に一致し,臨床経過および組織学的所見より,有棘細胞癌は脂漏性角化症から発生したと推測された.

CD34抗原陽性を示した隆起性皮膚線維肉腫の1例

著者: 岡田克之 ,   永井弥生 ,   田村敦志 ,   石川治 ,   宮地良樹

ページ範囲:P.415 - P.417

 54歳,男.約20年前,左胸部に自覚症状を欠く淡紅褐色皮疹が出現.漸次拡大するとともに凹凸不整局面を形成.生検組織像より隆起性皮膚線維肉腫と診断し,切除植皮術を施行した.免疫組織化学的に腫瘍細胞はCD34抗原(human progenitorcell antigen)陽性であった.当科で経験した他の線維組織球性腫瘍21例についてもCD34抗原の発現を検討したところ,隆起性皮膚線維肉腫のみが陽性であり,CD34抗原が同症の特異的マーカーの一つとなる可能性が示唆された.

Mucinous carcinoma of the skinの1例

著者: 矢野貴彦 ,   大黒久和 ,   岡崎英登 ,   林雄三

ページ範囲:P.419 - P.421

 50歳,男性.初診約半年前から右頬部に米粒大の紅色丘疹が出現し,徐々に増大し,指頭大となった.病理組織学的に表皮直下から皮下組織にかけて,その一部に腺管腔の形成を伴う大小の胞巣状あるいは索状の構造を示す腫瘍組織がみられ,その腫瘍胞巣周囲に豊富な粘液が存在した.この粘液は組織化学的には,シアロムチンであった.全身の検索を行ったが,他臓器に腫瘍性病変は認めなかった.以上の所見より,右頬部皮膚原発のmucinous carcinomaと診断した.数cm離して全摘術を行いtramsposition flapで再建した.術後1年半の経過で再発は認められていない.

Pagetoid reticulosis(Woringer-Kolopp病)の1例

著者: 佐藤典子 ,   多田有平 ,   高橋伸也 ,   小関史朗

ページ範囲:P.423 - P.427

 25歳,男性.1年前に左母指球部,3カ月前に右前腕尺側に紅色皮疹が出現し徐々に増大し,それぞれ小胡桃大・大豆大の辺縁隆起性局面となり,軽度浸潤を触れた.光顕所見では表皮基底層から有棘層中層にかけて,透明量を伴う胞体の明るい単核細胞が散在性,または大小の胞巣を作り密に浸潤し,電顕ではこの細胞は核に切れ込みを有しセザリー細胞に類似していた.真皮上層には表皮内と同様の異型細胞,これより小型のリンパ球様細胞,組織球が混在し帯状に浸潤していた.表皮内浸潤細胞はTs/cの表面形質を示し,真皮浸潤細胞はTh/iとTs/cが混在していた.皮疹は外用PUVA療法18回照射で消褪した.本例の表皮内浸潤細胞は形態的に強い異型性を示し,かつ,免疫組織学的検索でモノクローナルにTs/cの表面形質を示し,腫瘍性性格を持つと考えられるにもかかわらず,臨床的には非常に良性で,特異なclinicalentityに属すると思われた.

血管拡張性肉芽腫を思わせた肝細胞癌の耳垂転移例

著者: 三浦優子 ,   岩原邦夫 ,   小川秀興

ページ範囲:P.429 - P.432

 61歳,男性.肝細胞癌の診断を受けている.当科初診時,直径約0.5cmの暗赤色,多房性の,血管拡張性肉芽腫に似た小結節が右耳垂に存在した.組織像は血管に富む腫瘍細胞塊が索状に配列し,肝細胞索類似構造をとっていたので,肝細胞癌の転移と診断し,また剖検により確認された.本邦における肝癌の皮膚転移の詳細な報告は,自験例を含め17例であり,極めて稀である.本症例においては,血管が豊富な肝細胞癌の性質が,転移部位や組織像に反映され特徴的であると思われたので報告するとともに,過去の文献的考察を行った.

連載

Clinical Exercises・13—出題と解答

著者: 宮地良樹

ページ範囲:P.378 - P.378

治療

顕微鏡下皮膚剥離術による外傷性刺青の治療経験

著者: 藤井勝善 ,   青山久 ,   横尾和久 ,   林祐司

ページ範囲:P.435 - P.438

 顔面の外傷性刺青に対して顕微鏡下皮膚剥離術を行い良好な結果を得,代表的な症例を示した.本法は顕微鏡を用いて手術操作を行うため,異物を直視下で除去できる.さらに,皮膚剥離の深さの確認も可能となるため,術後の治癒過程における瘢痕形成も最小限となる.外傷性刺青の治療に関して,本法は第一選択として行うべき手技と思われる.

基本情報

臨床皮膚科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1324

印刷版ISSN 0021-4973

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