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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻4号

1994年04月発行

症例報告

雪状炭酸圧抵療法後の太田母斑上に発生した基底細胞上皮腫の1例

著者: 山田朋子1 臼井恵太郎1 狩野俊幸1 出光俊郎1 北島康雄1 矢尾板英夫1 権太浩一2

所属機関: 1自治医科大学皮膚科学教室 2自治医科大学一般外科学教室

ページ範囲:P.403 - P.406

文献概要

 雪状炭酸圧抵療法施行25年後に太田母斑上に発生した基底細胞上皮腫の1例を報告した.症例は49歳女性.生下時より右三叉神経第1枝領域に灰青色の色素斑がみられ,20歳から23歳時にかけて某病院で雪状炭酸圧抵療法を受けた.治療による瘢痕形成はなかった.平成3年3月より右側頭部に母指頭大のびらん・潰瘍が出現し,徐々に拡大してきた.生検により基底細胞上皮腫(fibrosing type)と診断し,腫瘍全摘術を施行した.組織所見では表皮と連続性に腫瘍細胞が索状・胞巣状に浅層の筋膜まで浸潤していた.また,一部では角化性小嚢胞を形成しながら腫瘍細胞が増殖し,基底細胞上皮腫のkeratotic typeの所見を呈していた.腫瘍巣の周囲には膠原線維間に細長く突起を伸ばしたメラニンを含有する真皮メラノサイトが多数観察された.雪状炭酸処置後の太田母斑上に基底細胞上皮腫が発生した症例は稀であるため報告し,その発症機序について考察を試みた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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