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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻4号

1994年04月発行

文献概要

症例報告

Pagetoid reticulosis(Woringer-Kolopp病)の1例

著者: 佐藤典子1 多田有平1 高橋伸也1 小関史朗2

所属機関: 1秋田大学医学部皮膚科学教室 2市立秋田総合病院皮膚科

ページ範囲:P.423 - P.427

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 25歳,男性.1年前に左母指球部,3カ月前に右前腕尺側に紅色皮疹が出現し徐々に増大し,それぞれ小胡桃大・大豆大の辺縁隆起性局面となり,軽度浸潤を触れた.光顕所見では表皮基底層から有棘層中層にかけて,透明量を伴う胞体の明るい単核細胞が散在性,または大小の胞巣を作り密に浸潤し,電顕ではこの細胞は核に切れ込みを有しセザリー細胞に類似していた.真皮上層には表皮内と同様の異型細胞,これより小型のリンパ球様細胞,組織球が混在し帯状に浸潤していた.表皮内浸潤細胞はTs/cの表面形質を示し,真皮浸潤細胞はTh/iとTs/cが混在していた.皮疹は外用PUVA療法18回照射で消褪した.本例の表皮内浸潤細胞は形態的に強い異型性を示し,かつ,免疫組織学的検索でモノクローナルにTs/cの表面形質を示し,腫瘍性性格を持つと考えられるにもかかわらず,臨床的には非常に良性で,特異なclinicalentityに属すると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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