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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻5号

1994年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1994 I 最近話題の疾患

旋尾線虫幼虫による線状爬行疹

著者: 中本千尋1 中川浩一1 八代典子1 濱田稔夫1 井関基弘2

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科学教室 2大阪市立大学医学部医動物学教室

ページ範囲:P.30 - P.33

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 48歳,女性に生じた旋尾線虫幼虫による線状爬行疹の1例を報告する.皮疹は腰背部右側に蛇行する線状紅斑で,典型的な線状爬行疹の臨床像を示した.先進部の楔状切除による虫体の除去により症状は速やかに消失した.切除切片標本中に虫体断面を認めた,その形態学的特徴からHasegawa(1978)の分類による旋尾線虫のX型幼虫と同定された.旋尾線虫のX型幼虫と同定された.旋尾線虫幼虫による線状皮膚爬行疹の症例は1991年に初めて報告されたが,それ以来8例が追加され最近注目されている.人体への感染経路はまだ明らかではないが,ハタハタやスケトウダラ,ホタルイカ,スルメイカから本幼虫が検出されており,これらの生食による感染が強く疑われている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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