icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻5号

1994年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1994 II 皮膚疾患の病態

Heat shock proteinと皮膚疾患

著者: 伊崎誠一1 後藤佳子1

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科

ページ範囲:P.53 - P.57

文献購入ページに移動
 ストレス蛋白(熱ショック蛋白,HSP)のうちあるものは微生物から哺乳類に至るまで相同性が良く保存され,しばしば抗原性が交叉する.近年この,種間共通抗原エピトープに対する免疫反応が注目されている.われわれはELISA法を用いて,分子量65kDのヒトらい菌由来のHSP(HSP65)に対する抗体価を種々の皮膚疾患で測定した.その結果,らい菌あるいは抗酸菌と全く無関係に,掌蹠膿疱症および乾癬患者のうち病巣感染が発症原因と考えられる患者で抗HSP65IgGの上昇を見いだし,感染病巣のない患者に比し明らかな差(p<0.01)を示した.ベーチェット病,アトピー性皮膚炎,蕁麻疹,帯状疱疹でもそれぞれ上昇がみられ,細菌性あるいはウイルス感染を受けた宿主細胞のHSP65による免疫変調作用が,種々の炎症性皮膚疾患の病態生理に何らかの形で寄与する可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?