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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻5号

1994年04月発行

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1994

II 皮膚疾患の病態

ヒト乳頭腫ウイルスと発癌

著者: 本田まりこ1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.79 - P.84

文献概要

 ヒト乳頭腫ウイルス(human papilloma—virus,以下HPVと略す)は現在少なくとも75型に分類されているが,そのうちの約1/3は皮膚や粘膜の悪性腫瘍から検出されている.HPVの発癌機構はおもに子宮頸癌の原因ウイルスとされているHPV−16について精力的に研究されており,特にトランスフォーム活性のある初期遺伝子E6,E7が癌抑制遺伝子(p53,Rb)の作用を抑制することが明らかになっている.一方疣贅状表皮発育異常症に発生する皮膚癌もHPVが重要な役割を果たしていると考えられているが,その機作については明らかにされていない.我々のデータでは増殖細胞核抗原PCNAが皮膚癌だけでなく良性皮疹においても異常発現がみられ,p53よりもPCNAの異常発現が本症における癌化への重要な鍵を担っていると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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