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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻5号

1994年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1994 III 新しい検査法と診断法

ファンギフローラYによる真菌の染色

著者: 松田哲男1 濱田学1 太田浩平1 堀嘉昭1 松本忠彦2

所属機関: 1九州大学医学部皮膚科教室 2東芝病院皮膚科

ページ範囲:P.99 - P.103

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 近年その増加が著しい日和見真菌感染症は早期診断が困難であることが知られている.ファンギフローラYは直接塗沫標本などの臨床材料や病理組織切片内の真菌を検出する目的で開発された蛍光染色液キットであり,真菌の細胞壁の多糖類,キチンやセルロースなどに高い親和性を示す.我々は蛍光染色液の有用性を検討するため病理組織標本,鱗屑などの臨床材料,および真菌の掻き取り標本とスライドカルチャー標本を用いて真菌の染色を試みた.いずれの材料においても菌要素はファンギフローラYにより鮮明に描出された.手技は従来の染色より簡単で所要時間も短い.ファンギフローラYによって原因菌は分類学的位置に関係なく幅広く検出されるが,組織内の真菌の同定には利用できない.菌要素を容易に検出する方法の一つとして真菌症の確定診断に有用であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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