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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻5号

1994年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1994 III 新しい検査法と診断法

ビデオマクロスコープによる色素性病変の観察

著者: 斎田俊明1 大久保幸子1 小口真司1 石原八州司2

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科学教室 2北信総合病院皮膚科

ページ範囲:P.109 - P.113

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 色素性病変の表面に鉱物油を塗布し,角層,表皮の透光性を高めた上でビデオマクロスコープにて100倍にまで拡大し,所見を観察した.生毛部の色素細胞母斑では境界部型は規則的な網目状の色素沈着(pigment network)を示し,真皮内型はびまん性の淡褐色色素沈着の上に褐色小斑(brown globule)を伴う.足底の母斑の多くはparallel,lattice-like,fibrillarの3つの定型的パターンのいずれかを呈する.悪性黒色腫では不規則に走行する濃淡差の目立つ樹枝状色素沈着と大小種々のbrown globuleおよび乱雑に散在する黒色小顆粒(black dot)がしばしば見いだされる.足底の悪性黒色腫の色素斑部では,皮溝部よりも皮丘部に色素沈着の目立つ傾向がある.その他の色素性病変でも各疾患ごとにかなり特徴的な所見が認められた.ビデオマクロスコープによる検索は色素性病変の無侵襲な補助診断法としてきわめて有用と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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