文献詳細
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1994
IV 治療のトピックス
文献概要
PUVA療法はわが国においても水野らによっていち早く導入され,乾癬,類乾癬,白斑などの治療に欠かせない治療法の一つとなっている.当科においても1982年以来,大型紫外線照射装置を用いて,主に尋常性乾癬の治療にあたってきたが,症例数の蓄積とともに最近では多くの患者において,色素沈着を主体とする副作用を多くみるようになった.このため長期にわたりPUVA療法を継続している205名の患者について,詳細に皮膚変化を観察したところ,PUVA lentiginesが94例に,脱色素斑が6例,青色母斑様色素沈着が3例に認められた.また5例には,有棘細胞癌,基底細胞癌,Bowen病,日光角化腫が認められた.PUVA lentiginesは明らかにPUVA療法の同数に比例して多発する傾向が認められたが,腫瘍の発生には相関はなかった.
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