文献詳細
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1994
IV 治療のトピックス
文献概要
皮膚に発生する皮膚悪性リンパ腫の主なものは皮膚T細胞リンパ腫であり,菌状息肉症によって代表される.本腫瘍は現在でも古典的分類が利用され,紅斑期,扁平浸潤期,腫瘤期に分けられる.本症の特徴として免疫不全を招来し,腫瘍死以外に日和見感染によって死亡することが少なくない.したがって,化学療法を早期から適用すると却って死期を早めることがある.また,従来のPUVA療法,外用療法,放射線療法では免疫不全に対し改善に働くとは考えにくい.したがって,インターフェロンの本腫瘍に対する効果は全身投与で60%前後の効果を示すだけではなく,本腫瘍の免疫不全に対する調節作用も有すると考えられる.本腫瘍に対するインターフェロンの適用は治療効果と予後を改善する一石二鳥の役割を発揮すると考えられる.現段階ではインターフェロンはαもγも優れた効果が見られ副作用も少なく有力な武器と思われる.
掲載誌情報