icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻6号

1994年05月発行

症例報告

皮膚筋炎にみられた難治性潰瘍—組織学的に膜嚢胞性病変を伴う脂肪織炎を認めた1例

著者: 中山文明14 田川一夫1 寄藤和彦2 田辺恵美子3

所属機関: 1旭中央病院皮膚科 2成田赤十字病院皮膚科 3東邦大学医学部附属佐倉病院皮膚科 4千葉大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.465 - P.468

文献概要

 27歳,女.皮膚筋炎の診断にてプレドニゾロン60mg/日より治療を開始して,筋症状,皮膚症状ともに軽快した.しかしながら,プレドニゾロン減量中に左上腕屈側,右下眼瞼,右大腿上部外側,左腰部に硬結を伴う有痛性紅斑がそれぞれ出現し,左上腕屈側の紅斑は虫食い状に潰瘍化した.当初,肉芽の新生が十分に認められなかったが,プレドニゾロンを若干増量したところ,潰瘍は上皮化した.組織学的に那須らが提唱した膜嚢胞性病変を認め,皮膚筋炎に伴った脂肪織炎より生じた潰瘍と考えた.自験例では間質性肺炎,悪性腫瘍は認められなかったが,文献的には予後不良例が多く,今後とも慎重に経過を見る必要のある症例と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら