icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻6号

1994年05月発行

文献概要

症例報告

骨髄性プロトポルフィリン症の1例

著者: 木村京子1 江副和彦1 車地祐子1 横関博雄1 西岡清1

所属機関: 1東京医科歯科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.473 - P.475

文献購入ページに移動
 13歳男性の骨髄性プロトポルフィリン症の1例を報告した.兄に同症あり.血中,便中プロトポルフィリン値は高値で,光溶血試験陽性,赤血球蛍光も認められた.400nmの単色光を用いた光線テストでは浮腫性紅斑が誘発された.患者の非露光部の皮膚組織を対照として,誘発された紅斑,露光後に出現した発疹の病理学的検討を行った.PAS陽性物質の沈着の範囲,程度が非露光部対照皮膚,誘発紅斑部,露光後発疹部という順に強くなっており,PAS陽性物質の沈着が光線照射による組織障害の程度を反映していた.また誘発紅斑組織では乳頭層血管壁と一部基底層に沿ってC3の沈着が認められた.骨髄性プロトポルフィリン症の症状発現の機序に補体の関与が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?