icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻6号

1994年05月発行

症例報告

尋常性狼瘡の1例—下肢と背部に皮疹を認め,リンパ節結核を伴った1例

著者: 木花いづみ1 寺木祐一1 宮本秀明2 斎藤すみ3 大井田美保3 中野政男4

所属機関: 1平塚市民病院皮膚科 2平塚共済病院皮膚科 3横浜市立大学医学部皮膚科学教室 4湘南皮膚科

ページ範囲:P.493 - P.496

文献概要

 78歳,女.10歳代に発症した左膝蓋部の尋常性狼瘡.胡桃大の皮疹が2年前より急速に拡大してきた.初診時,左膝蓋部を中心に径30cm大,中心部に易出血性の肉芽腫様局面を有する境界明瞭な赤褐色浸潤性局面を認めた.組織学的にはラングハンス型巨細胞を伴う類上皮細胞性肉芽腫であったが,生検時の結核菌培養で2回とも陰性であった.そのため抗結核剤を使用しない治療を行っていたところ背部に黄褐色局面を生じ,左鼠径リンパ節を触れるようになった.その後繰り返し生検,培養を行った結果,ヒト型結核菌が分離,同定され,INH,RFPの内服を開始したところ瘢痕治癒の傾向にある.最近6年間の本邦報告例24例について簡単にまとめ,若干の考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら