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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻6号

1994年05月発行

文献概要

症例報告

隆起性皮膚線維肉腫が多発した1例

著者: 海老原全1 桜岡浩一2 早川和人3 清水宏1 仲弥1 原田敬之1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 2済生会横浜市南部病院 3杏林大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.517 - P.520

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 隆起性皮膚線維肉腫が左大腿と右上腕に発生した1例を報告した.患者は40歳,男.13年前左大腿に腫瘍が生じ,近医にて切除を受け隆起性皮膚線維肉腫と診断された.最近,腫瘍摘出部位に一致して,径約2cmの弾性硬,褐色調の結節が生じ,さらに右上腕にも同様の臨床像を呈する径約1cmの結節が生じた.組織学的には両者とも,真皮内にstoriform patternを呈し,増殖する線維芽細胞様細胞と膠原線維束からなる腫瘍塊を認めた.個々の細胞に明らかな異型性は認められなかった.電顕による観察では,腫瘍細胞は軽度の凹凸,切れ込みのある核を有し,細胞質内には豊富な粗面小胞体を認め,線維芽細胞様細胞の特徴を示した.以上より,本例を多中心性に発生した隆起性皮膚線維肉腫と診断した.本症の多発例について文献的に検討し,自験例の発生につき若干の考按を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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