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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻7号

1994年06月発行

文献概要

原著

腎移植後に発症した皮膚悪性腫瘍

著者: 岐部幸子1 竹中秀也1 加藤則人1 奥田良治1 岸本三郎1 安野洋一1 安村忠樹2 岡隆宏2

所属機関: 1京都府立医科大学皮膚科学教室 2京都府立医科大学第2外科学教室

ページ範囲:P.553 - P.558

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 腎移植長期生着例に発症した皮膚悪性腫瘍5症例6病巣を報告する.京都府立医科大学第2外科においては1967年(昭和42年)から1993年(平成5年)にかけて380例の腎移植術が施行されており,このうち皮膚悪性腫瘍は5症例6病巣認められた.症例は男性4名,女性1名で,腎移植症例総数に対する発生率はそれぞれ男性1.4%(4/290),女性1.1%(1/90)であった.発症年齢は平均47.6歳で,皮膚悪性腫瘍の種類は,有棘細胞癌(SCC)2例3病巣,基底細胞癌(BCC)2例,血管肉腫1例であった.いずれも露光部に発症しており,移植から腫瘍発生までの期間は平均11.6年であった.全例が生体腎移植症例であり,術後に免疫抑制剤としてazathioprineおよびprednisoloneの投与が行われていた.腎移植後発症の皮膚悪性腫瘍について若干の文献を交えて考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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