icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻7号

1994年06月発行

文献概要

原著

アナフィラクトイド紫斑と皮膚アレルギー性血管炎(Ruiter)の再検討

著者: 松浦和子1 西本正賢1 高岩堯1

所属機関: 1香川医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.559 - P.562

文献購入ページに移動
 アナフィラクトイド紫斑(AP)と皮膚アレルギー性血管炎(Ruiter)を組織所見にて鑑別し,過去10年間に当科入院となったAP15例,Ruiter8例について,発症誘因,臨床症状(皮疹の分布と経過),全身症状合併と重症度,血液および尿検査所見を比較し,腎の予後との関連性を再検討した.APの発症に季節的変動が認められたが,咽頭培養においてβ—連鎖球菌は検出されなかった.尿異常が遷延したのはAP3例,Ruiter2例で,Ruiterのうち1例が紫斑病性腎炎にて急性腎不全の転帰をとった.皮疹の分布が広範囲で,消褪までに1カ月以上要する場合や血清IgAが高値を呈する場合は,両者を問わず異常尿所見を伴う傾向にある.検討した各項目で両者間にほとんど差がみられず,発症メカニズムの違いが不明の現在,両者をあえて区別する必要はないと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?