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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻7号

1994年06月発行

文献概要

症例報告

胸壁に生じた皮膚腺病の1例

著者: 木花いづみ1 寺木祐一1 橋詰寿律2

所属機関: 1平塚市民病院皮膚科 2国立療養所神奈川病院外科

ページ範囲:P.573 - P.575

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 55歳男性の胸壁に生じた皮膚腺病の1例を報告した.初診の1週間前,突然右乳頭下方に鶏卵大の皮下結節が出現,発赤,軟化してきた.切開にて半透明な淡黄色膿の排出を認め,初診の10日後には胸骨上部にも同様の結節の新生を認めた.組織学的にはラングハンス型巨細胞を混じた類上皮細胞,リンパ球主体のびまん性細胞浸潤と広汎な壊死を認め,膿,生検皮膚よりヒト型結核菌が分離された.抗結核剤による治療開始2カ月後,右鎖骨上部にも膿瘍の新生を認めたが,その後経過良好で,10カ月後の現在瘢痕治癒の状態である.既往歴,家族歴に結核はなく,精査でも原発巣となる肺結核,骨結核は認められなかった.胸壁,腹壁結核性膿瘍について簡単にまとめた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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