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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻7号

1994年06月発行

文献概要

症例報告

Tethered cord syndromeに伴う足部潰瘍の1例

著者: 田村俊哉1 和田隆1 山本明美1 広川政己1 松尾忍1 飯塚一1 代田剛2

所属機関: 1旭川医科大学皮膚科学教室 2旭川医科大学脳神経外科学教室

ページ範囲:P.585 - P.587

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 22歳,男性.Tethered cord syndrome(脊髄係留症候群)に伴った足部潰瘍の1例を報告した.生下時から腰仙部に弾性軟の皮下腫瘤があり4歳時に手術を受けた.16歳頃から跛行,18歳頃から内反凹足変形が出現し,初診の1年前から内踝,外踝,踵,足底に潰瘍が多発してきた.神経学的に両膝以下の知覚低下,下腿の筋力低下,アキレス腱反射の消失を認めた.MRIで第3,4腰椎の位置にintradural lipomaを認め,脊髄円錐は第4腰椎のレベルにあり,脊髄終糸の肥厚が示された.足部潰瘍は本症の3〜14%に認められ,足部の知覚低下,変形と血管運動神経の機能異常が発症の誘因となる.難治性,再発性の足部潰瘍の場合には本症も念頭において診断を進める必要があると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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