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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻7号

1994年06月発行

文献概要

症例報告

小児に発症したmulticentric reticulohistiocytosis

著者: 川岸尚子1 山本明美1 橋本喜夫1 松尾忍1 飯塚一1 杉山貞夫2

所属機関: 1旭川医科大学皮膚科学教室 2札幌医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.601 - P.604

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 患者は3歳,男児.生後8カ月ころから,前胸部に自覚症状を伴わない黄褐色の丘疹が出現し,徐々に四肢にも多発してきた.1歳10カ月ころから,膝,手首,指関節の腫脹,疼痛が出現した.組織学的に皮膚および滑膜の両部位にリンパ球,組織球,巨細胞を混じた肉芽腫様構造を認めた.電顕ではミトコンドリアやライソゾームに富む組織球が浸潤細胞の主体を占め,Langerhans cell granuleは認められなかった.関節症状と皮膚症状を一元的にとらえ,multicentric reticulohistiocytosis(MR)と診断した.自験例はわれわれが調べえた限りではMRの最年少発症例と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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