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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻7号

1994年06月発行

文献概要

症例報告

脂腺母斑上に生じた多彩な組織像を呈した二次性腫瘍

著者: 原田洋至1 郡司裕則1 岩月啓氏1 小野一郎1 金子史男1

所属機関: 1福島県立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.617 - P.619

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 19歳,女性.出生時より左側頭部に存在する脂腺母斑上に,13歳頃より有茎性腫瘤が出現し徐々に増大した.腫瘤を切除し,後日脂腺母斑を全摘したところ,腫瘤部は2種の異なる組織像を示し,母斑内は2カ所の微小二次性腫瘍の発生が認められた.母斑内に認められた2つはsyringocystadenoma papilliferum(SAP)とsebor—rheic keratosisであった.腫瘍部の大部分はtrichilemmomaに類似の組織像を示し,その一部にSAPに類似する部分が存在したが,いずれも典型的な組織像ではなかった.脂腺母斑上に発生する二次性腫瘍は非常に多彩であり,その成因として多くの皮膚構成成分が関与し特有の生活史を有する母斑としての特殊性による可能性が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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