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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻8号

1994年07月発行

文献概要

原著

身体各部位の正常角層層数—角層の層数は部位によって違うのか? 年齢によって違うのか?

著者: 甄雅賢1 工藤和浩1 末武茂樹1 田上八朗1

所属機関: 1東北大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.649 - P.652

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 正常角層は扁平な角層細胞が細胞間脂質を介してサンドイッチのように何層も積み重なってできた膜状物である.身体各部位における角層層数の違いを調べるために,皮膚疾患患者から得た正常部皮膚の凍結切片を用い1%サフラニン液で染色した後,2%KOH水溶液により角層を膨潤させ層数を数えた.角層が最も薄いのは男子の陰茎部で約6層,次いで眼瞼の約8層で,逆に最も厚いのは手掌と足蹠で40層以上であった.十分な標本数が得られた部位で年齢と角層層数の関係を検討したところ,頬部と眼瞼では年齢によって角層層数に違いはなかったが,下肢伸側では加齢に伴って角層層数の増加がみられた.腹部では逆に高年齢層のほうが角層層数が少なかった.また増殖細胞のマーカーであるPCNAに対するモノクローナル抗体を用いて表皮の増殖の程度を評価し,角層層数との関係を検討したが両者の問に相関は認められなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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