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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻8号

1994年07月発行

文献概要

症例報告

アトピー性皮膚炎患者に生じた非ステロイド系消炎剤のスプロフェン軟膏による接触皮膚炎

著者: 辻隆1 斎藤すみ1 原万美子1 松谷紫1 大沢純子1 宮川加奈太1 北村和子1 池澤善郎1

所属機関: 1横浜市立大学医学部附属浦舟病院皮膚科

ページ範囲:P.681 - P.684

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 顔面病変の急性増悪したアトピー性皮膚炎(AD)患者に生じたスプロフェン軟膏による接触皮膚炎の1例を経験した.症例は22歳の女性で,11歳頃よりADとして加療され,18歳より顔面皮疹に対しても時々ステロイド系外用剤を使用していた.同剤からの離脱目的でスプロフェン軟膏(スレンダム軟膏®)を外用したところ,3週間後より皮疹の急激な悪化と拡大が見られ,スプロフェン軟膏の貼布試験が陽性のため同軟膏による接触皮膚炎と診断した.しかし3カ月後の貼布試験は陰性で,光貼布試験は陽性であった.アトピー性皮膚炎では治療およびステロイド系外用剤の離脱目的で非ステロイド系外用剤を顔面,頸部に使用する機会が多い.当科で行った難治性の顔面病変があるアトピー性皮膚炎の14症例において非ステロイド系外用剤の貼布試験を実施したので,その結果についても若干の考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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