icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻9号

1994年08月発行

文献概要

原著

血管芽細胞腫(中川)—自験例の報告と免疫およびレクチン組織化学

著者: 佐井嘉之1 鈴木民夫1 前多松喜2 荻山幸子3

所属機関: 1豊橋市民病院皮膚科 2豊橋市民病院検査科 3名古屋大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.753 - P.757

文献購入ページに移動
 19歳,女性.生下時より腹部左側に浸潤性の紅斑局面があった.1年前より同部に疼痛が出現した.定型的な臨床像およびHE染色所見から血管芽細胞腫(中川)と診断した.免疫およびレクチン組織化学の結果,血管芽細胞腫の発生に関して2つの仮説を想定した.1つは自験例は3種類の細胞,すなわち内皮細胞,周皮細胞および未分化問葉系細胞から構成されており,腫瘍性の増殖というには単クローン性がなく,本症は母斑,過誤腫として発生するという考え方,もう1つは,本症の起源を未分化間葉系細胞とするならば,それが分化すれば内皮細胞あるいは周皮細胞が形成されうるので,本症が未分化間葉系細胞が起源の腫瘍であるという考え方である.筆者らは前者の可能性が高いと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?