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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻9号

1994年08月発行

文献概要

原著

扁平苔癬の病因の検討

著者: 栗原誠一1 中野政男1

所属機関: 1湘南皮膚科

ページ範囲:P.761 - P.765

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 扁平苔癬の典型例について,その病因を薬剤,金属,メンタ油のアレルギーの点から検討した.対象となった24例は,限局型の8例と汎発型の16例で,汎発型のうち7例は口腔内粘膜疹を伴っていた.除去効果を合わせて原因を検討した結果,限局型では口腔内に限局した1例と線状型の3例中1例は薬剤性と考えられたが,金属やメンタ油のアレルギーは認めなかった.また,口唇に限局した4例はいずれも原因不明であったが,このうち3例が肝障害を合併しており,口唇の扁平苔癬は肝障害を疑う指標になると思われた.汎発型の原因は薬剤性5例,金属アレルギー5例,メンタ油アレルギー2例,不明が4例であった.金属アレルギーによる5例は歯科金属除去で治癒したが,口腔内粘膜疹を伴わない例もあり,粘膜疹はケブネル現象と考えられた.とくに汎発型では予想以上に病因が判明し,積極的な原因検索が必要と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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