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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻9号

1994年08月発行

文献概要

検査

晩発性皮膚ポルフィリン症—一般病院外来での簡便な検査の進め方について

著者: 鈴木裕12 児島孝行2 藤田優2

所属機関: 1上都賀総合病院皮膚科 2千葉大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.771 - P.773

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 典型的な光線過敏症を呈した晩発性皮膚ポルフィリン症(PCTと略す)の1例を経験し,以下,一般病院外来での検査について若干の知見を得た.50歳男性,飲酒歴もあるが,HCV抗体陽性であり,PCTとC型肝炎ウイルス感染との関連が示唆された.スライドプロジェクターランプでの光線テストで紅斑出現.波長域が400nmを含む同ランプによる光線テストはPCTの定性検査として特別な機器を必要とせずに一般の病院の外来でも行え,有用と思われた.尿中ウロポルフィリン960μg/日(640μg/l).尿中ポルフィリン体の1日排泄量が800μg以下では肝機能低下を認めても光線過敏による皮疹を生じないとする報告もあり,皮膚症状からPCTが疑われる場合,尿中ウロポルフィリンの正常値が1日30μg以下であることを考えると,蓄尿でなくとも初診時外来での随時尿の定量で十分有意な異常高値を示すと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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