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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻9号

1994年08月発行

文献概要

症例報告

水疱性類天疱瘡に合併したノルウェー疥癬の1例

著者: 江崎智香子1 長谷川核三1 清島真理子1 森俊二1

所属機関: 1岐阜大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.779 - P.782

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 84歳,女性.脳梗塞のため近医入院中,半年前より上肢に紅斑,水疱が出現した.ステロイド内服,外用を行うも一進一退であった.1カ月前より両上肢に瘙痒を伴う角質増殖が出現した.同部の生検組織において,表皮肥厚が見られ増殖した角質内に多数の疥癬虫が認められた.紅斑部生検組織は,免疫蛍光抗体法にて表皮真皮境界部にIgG,C3の沈着がみられた.間接法は320倍で陽性を示した.ステロイド内服にサラゾスルファピリジン坐剤を併用したところ水疱の新生がみられなくなった.1%γBHC軟膏と10%サリチル酸ワセリンの重層により厚い鱗屑が減少した.自験例は水疱性類天疱瘡を基礎疾患とし,ステロイド内服,外用により全身および局所の免疫能が低下し,加えて脳梗塞後の生活条件が不良であったため,疥癬を重症化させノルウェー疥癬に至ったと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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