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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻9号

1994年08月発行

文献概要

症例報告

足底に水疱形成をみたhypereosinophilic syndromeの1例

著者: 吉永洋子1 檜垣祐子1 川島真1 佐藤和人2

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター

ページ範囲:P.791 - P.794

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 足底の浸潤性紅斑上に大型の水疱形成をみたhypereosinophilic syndromeの34歳,女性例を報告した.2年前に皮疹,未梢血好酸球増多より本症と診断,プレドニゾロン1日10mgの投与を受けていたが,全身倦怠感,腹痛などとともに足底に浸潤性紅斑が出現し,水疱を形成した.末梢血好酸球数は3,168/mm3と増加.浸潤性紅斑部の組織像で,真皮全層,皮下組織に及ぶ稠密な好酸球の浸潤をみた.これらの好酸球は抗IL−5抗体に陽性に染色され,局所における好酸球の活性化が示唆された.プレドニゾロン増量により皮疹,全身症状とも速やかに消退した.本症の皮膚症状としての水疱形成は稀であり,その発生機序について考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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