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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻9号

1994年08月発行

文献概要

症例報告

糖尿病に合併した皮膚サルコイドーシスの1例

著者: 川合美里1 清島真理子1 柳原誠1 森俊二1 小瀬木理2

所属機関: 1岐阜大学医学部皮膚科学教室 2岐阜大学医学部第三内科

ページ範囲:P.795 - P.798

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 54歳,女性.顔面の紅斑を主訴とする皮膚サルコイドーシスと糖尿病の合併例を報告した.皮疹は顔面に左右対称性に出現した紅斑を伴う丘疹であった.同部の皮膚病理組織検査で真皮中層と下層に類上皮細胞とリンパ球から成るサルコイド肉芽腫が存在し,真皮上層の毛細血管の肥厚を示す像を呈した.胸部縦隔CTにおいて縦隔リンパ節の腫脹がみられ,またガリウムシンチグラムにおいて同部に集積像が得られた.血清アンギオテンシン変換酵素(血清ACE)活性は,23.9IU/lと,高値を示した.また空腹時血糖403mg/dlで糖尿病II型を合併していたため,糖尿病に合併した皮膚サルコイドーシスと診断した.治療は酪酸ヒドロコルチゾン軟膏外用は皮疹に対して無効であったが,ヒューマリンN18単位/日投与により,血糖値が102mg/dlと低下するに伴い,顔面の皮疹は軽快傾向を示し,また血清ACE活性も正常化した.本邦におけるサルコイドーシスと糖尿病の合併例について若干の文献的考察を加えて報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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