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症例報告
Stucco keratosisの1例
著者: 嶋崎匡12
所属機関: 1市立小樽病院皮膚科 2現:市立札幌病院皮膚科
ページ範囲:P.807 - P.809
文献購入ページに移動 74歳,男.時期は不明であるが,足背,足首および下腿の一部に対側性に,米粒大までの,灰白色の円形ないし多角性の,表面が粗糙で乾燥した角化性丘疹が少数散在して出現した.表面の角質塊は出血なしに容易に剥離でき,剥離の後には辺縁に薄いカラー状の鱗屑を残す.組織学的には表皮有棘層は軽度に肥厚,かつスパイク状に突出隆起し,全体として鋸歯状に見える.角層の重なりは緩やかであり,いわゆる籠編み状を呈している.本症を脂漏性角化症の一型と考える傾向があるが,剥離しやすい角質塊の存在,カラー状の鱗屑の残存,分布範囲の相違(下肢とくに足背に好発,脂漏性角化症は顔,体幹に好発)などの臨床的な特徴,および乳頭腫様所見がなく,角質嚢腫がないなどの組織的特徴から,別の疾患としてよいものと考える.
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