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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻9号

1994年08月発行

文献概要

症例報告

紡錘形細胞の増生を伴った単発型nevus lipomatosus cutaneous superficialis

著者: 加藤直子13 上野洋男2

所属機関: 1市立小樽病院皮膚科 2市立小樽病院病理 3国立札幌病院皮膚科

ページ範囲:P.811 - P.814

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 多発型のnevus lipomatosus cutaneous superficialis(NLCS)に対応する単発型のNLCSの存在を認める立場から,その1例を報告した.症例は43歳の女性で,23歳時に上背部に黄色調の腫瘤に気づいた.広基性の腫瘤の病理組織像は真皮乳頭下層から網状層全層にわたる脂肪組織の集塊で,毛包周囲には索状の,汗腺周囲には塊状の脂肪塊の増生を伴っていた.特異的なこととして脂肪細胞の集塊中に紡錘形の細胞の集団を認めた.電顕的には結節の主体を構成する細胞は成熟した脂肪細胞で,血管周囲には紡錘形の間葉系細胞が観察されたものの,胞体内に脂肪小滴を有する未熟な細胞(脂肪芽細胞)は観察されなかった.有茎性の軟線維腫とは区別される単発型のNLCSの好例と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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