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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科48巻9号

1994年08月発行

文献概要

治療

肝斑患者に対するルビーレーザーによる治療とその限界—メラニン指数の推移による保存的療法との比較

著者: 白石正彦1 花田勝美1 橋本功1

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科教室

ページ範囲:P.831 - P.834

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 ルビーレーザー装置を用いて肝斑病変の治療を行い,客観的な相対メラニン指数の推移を経時的に観察することにより,その治療効果を保存的治療を行った場合と比較検討した.ルビーレーザー照射例では,照射1週後には著明な色調の退色が認められたが,その後,次第に色素の再生が出現,3週目には治療前値に復していた.さらに,6週目には色調の増加が認められたが,この色素沈着は一過性のもので,漸次改善傾向を示した.一方,保存的治療例では,比較的緩徐ではあるが治療効果が認められた.メラニン指数の推移を重視すると,現時点では肝斑に対するルビーレーザー治療には限界があるものと思われ,保存的治療を試みることが望ましいと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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