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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻1号

1995年01月発行

原著

陰嚢肉様膜平滑筋肉腫—免疫組織化学的所見および細胞増殖能による検討

著者: 野口義久1 原弘之1 涌井史典1 本庄三知夫1 森嶋隆文1 車谷峰子2

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学教室 2車谷皮膚科クリニック

ページ範囲:P.13 - P.17

文献概要

 40歳,男.10年前より陰嚢左側に自覚症を欠く皮内硬結が出現,徐々に増大し,自発痛,圧痛を伴うようになったため,近医にて2度切除を受けるも再発を繰り返した.直径32×30mm,弾性硬の自発痛,圧痛のある常色の腫瘤で,覆皮と癒着,下床と可動性である.組織学的に,真皮上層から下層,皮下組織にかけて腫瘍塊が認められ,辺縁では肉様膜と連続している.腫瘍細胞は紡錘形あるいはcigar shapedの核を有し,大小不同が目立ち,異型性が著明である.免疫組織学的に腫瘍細胞の胞体は抗HHF35抗体,抗α—smoothmuscle actin抗体および抗desmin抗体による染色で陽性,平滑筋腫瘍であると思われた.細胞増殖能の検索として,AgNORsと核DNA量の測定を対照の皮膚平滑筋腫3症例と比較して検討した結果,対照が良性所見であったのに対し,自験例はいずれも悪性所見であった.陰嚢平滑筋肉腫の本邦の報告は自験例が6例目であり,皮膚科からは初めてである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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