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症例報告
いわゆる脊椎麻酔後紅斑
著者: 加藤直子1
所属機関: 1国立札幌病院皮膚科
ページ範囲:P.45 - P.47
文献購入ページに移動 脊椎麻酔後紅斑は,脊椎麻酔後に仙骨部を中心として発生する圧痛を有する紅斑である.脊椎麻酔後にのみ発生するとは限らず,硬膜外麻酔による手術操作後などにも観察される.この度,5例を報告した.2例の組織像は有棘細胞の好酸性変性,真皮上層の血管壁の膨化と血管周囲性の小円形細胞浸潤,真皮深層のエクリン汗腺分泌部の好酸性壊死および汗管部の閉塞などを示し,褥瘡と同一であった.本疾患についてはI度の褥瘡であるという認識を徹底し,その発生を予防することが重要と考えられる.
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