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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻1号

1995年01月発行

文献概要

症例報告

成人T細胞白血病の長期観察例

著者: 浜田哲1 川越りか1 児浦純義1 太良光利2 米澤士郎3

所属機関: 1鹿児島市立病院皮膚科 2鹿児島市立病院内科 3米澤病院皮膚科

ページ範囲:P.53 - P.56

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 症例1;69歳男性.浸潤性紅斑・結節・腫瘤の多発を認め,皮膚組織でHTLV−1プロウイルスDNA陽性.症例2;72歳女性.紅斑,丘疹の多発を認め,後に末梢血リンパ球でHTLV-IプロウイルスDNA陽性.いずれも末梢血所見からはくすぶり型ATLであり,皮膚型として発症したと考えられた.症例1は皮疹に対してブレオマイシン外用と液体窒素凍結療法のみで,また症例2は皮疹に対してのPUVA療法とともにγ—インターフェロンと軽度の化学療法による全身的治療を行い,初診より症例1は約7年,症例2は約5年の良好な経過を観察した.特に皮膚型のATLで予後不良を示唆する所見の少ない場合には,強力な全身的治療を避け,皮疹に対する局所療法を主体とした治療をより考慮すべきであると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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