文献詳細
症例報告
文献概要
29歳,女性の右前腕に発症したMondor病の1例を報告した.皮疹は右前腕の表在性の静脈に沿って長さ20〜30cmの索状の硬結を数本触れた.初診時には軽度の発赤と圧痛を認めるも,数日後には認めなくなった.組織学的に脂肪織内の静脈に,血管壁の著明な肥厚を伴った血栓像を認めた.血栓内,壁に好酸球を混じるリンパ球の浸潤もみられた.elastica-van Gieson染色で内弾性板様構造を認めた.皮疹は約1カ月ほどで自然に消褪した.皮疹発生の数日前に重いビールのケースを運んだことが発症誘因として考えられた.
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