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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科49巻1号

1995年01月発行

文献概要

症例報告

Ofloxacinが奏効したBL型らいの1例

著者: 杉田泰之14 小関正倫1 矢島幹久2 岩田誠3 石井則久4 中嶋弘4

所属機関: 1国立療養所多磨全生園皮膚科 2国立療養所多磨全生園病理 3東京大学医学部神経内科学教室 4横浜市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.83 - P.85

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 75歳,男性.61歳頃から嗅覚の低下を自覚し,74歳頃から両手のしびれ感,両側前腕および下腿の知覚低下があった.神経内科学的にらいと診断された後,全身に地図状の軽度隆起した紅斑が汎発し,皮疹部の皮膚滲出液スメア標本の抗酸菌染色,光田反応,臨床症状を考慮してBL型のらいと診断した.らいの治療薬としてofloxacin(OFLX)を1日300mg単独投与で治療を開始したところ,3カ月後には皮疹と皮膚滲出液スメア標本の抗酸菌染色所見は改善し,その後他の治らい薬も併用して良好な経過を示した.本症例は,らいの治療薬として近年注目されているOFLXが,らい反応の出現もなく,治療に有効であった症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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